兵庫県丹波篠山市の藤原晴昭さん(72)は、自宅の神棚に焼夷弾の残骸と伝わるものを花筒にしてサカキを飾っている。
残骸は直径7センチ、長さ20センチの円筒形。51歳で亡くなった父・章英さんが花筒にし、藤原さん受け継いでいる。
章英さんを知る、近所の松本一等さん(85)によると、米爆撃機B29が同地区の上空もよく飛んでいたといい、ある家が「電灯を黒布で覆わずに通夜をいとなんだために、焼夷弾の的になった」と伝え聞いているという。
花筒にしているものは、その家から約100メートル離れた章英さん所有の山林に落ちたそう。
松本さんは、「章英さんは戦争が二度と起きないよう神に祈っていたのではないか」と言い、藤原さんは「これからもサカキを飾り続けたい」と話していた。