市町別感染者数はどう発表? 県「個人特定に配慮し統計情報として」 感染者一覧は本人の意向尊重

2020.09.11
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兵庫県が8月31日に発表した市町別感染者数の一覧

兵庫県は8月31日、各市や各健康福祉事務所管内での新型コロナウイルスの感染者数について、市町別感染者数を公表し、同日時点での同県丹波市、丹波篠山市を所管する丹波健康福祉事務所(保健所)管内の感染者を「丹波市2人」「丹波篠山市5人」「管内1人」と発表した。これまで丹波管内では、丹波市の1人のみが居住地公表を了承していたため、残る7件は「管内」でどちらかわからない状況。「ゼロの可能性もある」と考えていた丹波篠山市民にとっては寝耳に水で、「急に発表方法が変わったのか。まだ『管内』がある理由は何なのか。調べてほしい」との声を受け、県に見解を問うた。

県のホームページで日々発表される新たな感染者一覧は、感染者が居住地を「非公表」とすれば、従来通り「管内」としており、市町別感染者数は一覧個々の「管内」表記を変更するものではなく、別に統計資料として発表したもの。

県のコロナ対策本部事務局の対策推進班によると、「感染発表から一定期間が過ぎた段階で、地元の保健所や市町に確認し、個人が特定される状況にないと判断できれば、統計情報として市町別感染者数を独自に公表する方針」という。

そもそも指定感染症については市町別での公表が基本となっていることや、より詳細な情報を伝えることで感染防止の注意喚起、また疑心暗鬼を解消するのが目的。

対策推進班は、「感染者が少ない段階や、目安としている期間の『2週間以上』が過ぎても、期間内に感染した全員が同じ市だったりした場合には、感染者一覧と照らし合わせて個人の特定につながる可能性があるため、引き続き『管内』のままにするなど、柔軟に運用している」と言い、感染者に配慮しつつ運用しているという。

市町別感染者数を公表する際に、感染者の同意は得ていないと言い、「個人が特定されない形になっており、個別に確認する必要はないと考える」とした。

一方、住民からは、「場合によっては1カ月以上たってから身近に感染者が多かったと分かることになる。注意のしようがないのでは」という声があることについては、「個人情報に留意しつつ、混乱をできるだけ避けるようバランスを取り、実情に応じて発表していきたい」とした。

市町別感染者数は月に1回程度発表される予定で、次回は9月末の予定。

丹波管内では3月に丹波市の1人が感染して以降、7月に6人、8月に1人、9月に1人の感染が分かり、10日時点で合計9人となっている。

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