兵庫県丹波市で透析患者らの自助と共助を目指して活動する「きどにぃ会」が、閉校した小学校を活用した展示体験施設「フォレスト ドア しぐら」(同市青垣町文室)を会場に、人工透析を紹介し、メンバーと市民が交流する場にしようと、月に1度の「ぽちぽちマルシェ&啓発展示会」をスタートさせた。メンバーらは、「マルシェを楽しんでもらいつつ、透析の情報が必要になったときには、『あそこに行けばいい』という場所にしたい。堅苦しくなく、『ぼちぼち』やっていけたら」と顔をほころばせる。
会場には、透析に関するパネルや書籍などのほか、丹波市健康課が取り入れているシステムで、食事の栄養分が素早く数値化される「SATシステム」の紹介など、透析患者にとって役に立つ情報の数々が展示された。
廊下では農家の新鮮野菜のほか、メンバーらが作ったバッグやマスクケースなどの雑貨、同施設で活動するグループの丹波布作品を展示した。
透析の紹介では、食事管理や医療費、仕事など「腎臓病になって大変なこと」をはじめ、計画的な生活になることや水分制限が必要になること、冷え性になるなど「透析をする生活になって大変なこと」を、患者の目線で説明。内臓系疾患は体に変化がなくても血液検査などの数値で発覚することがあるため、「健康だから健診に行かなくていい、ではなく、健康な体のときこそ健診を」と呼びかけた。
同会メンバーが透析に関する質問や相談も受け付け、相談に訪れる人の姿もあった。
透析の大変さとマルシェの明るい雰囲気が混在するイベントに、メンバーらは、「マルシェにすればいろんな人が足を運んでくれるし、私たち患者は毎日、痛い思いをしているので、ちょっとした楽しみの場をつくりたかった」と話す。
同会代表の畑田達和さん(42)は、「病は人それぞれ。だからこそ、当事者になったときには当事者に話を聞いてほしい」と言い、「私自身、20年前に透析が必要になったとき、調べてみたら5年ほどしか生きられないという情報があったけれど、今でも生き、仕事もしている。そんな話をしながら、人との交流を広げていけたら」と笑顔で話している。
今後も毎月第1土曜日に継続して開催する。時間は午前10時―午後4時。