65年続く絵画サークル「三水会」会長 吉田大介さん(丹波市)

2020.09.27
たんばのひと

吉田大介さん

絵の仲間の会続ける

65回目の「三水会展」を、青垣住民センター(丹波市青垣町佐治)で開いている(10月18日まで)。青垣在住、出身の20代から90代の会員9人がアクリル、油彩、水彩、岩絵の具で、風景、人物、静物などを描いている。自身は「フラッシュバック」と題し、住宅地を背景に、オオサンショウウオや古いパソコンなどを配置した、130号の大作を出展。「自分以外の作品は全部素晴らしい」と謙遜する。中でも、郷土画家の植村八郎さん(86)の女性像の色遣いに目を引かれたという。

青垣中の先輩に誘われ、柏原高校美術班に入部。肉屋で牛の頭をもらってきて土に埋め、白骨化させた牛骨をよく描いた。「学校になかったし、買うと高かったから」。一時、絵から離れ、今も所属する主体美術協会の作品展に出すために30代の終わりごろ、再び絵筆をとった。自身のほかに所属する人が丹波市にいない協会を選んだのは、地道な作家の個性を評価してくれる点や、「先生」と呼んではいけないフラットな人間関係、作品制作に関して自由なところが気に入ったのと、「父(郷土画家の足立均さん)の影響がないところで」の思いもあった。

足立均さん、植村さんと、故・鴻谷隆夫さん、故・足立一彦さんを中心とする三水会が、氷上郡の絵画界を引っ張ってきた。4人の教え子らが第2世代、第2世代の教え子の第3世代の会員もいる。会長の仕事は「会員を増やし、絵を楽しむ仲間の作品展を続けること」。青垣出身者、Iターン者や、「私も高校生のとき、出品していた」と、若年層への呼びかけも考えている。「年に1、2枚しか描かない人も出してほしい。私もそうだから」。61歳。

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