黒大豆産地の一つ、兵庫県丹波市氷上町の「認定こども園ぬぬぎ」の3、4歳児計43人が22日、同町の広瀬昭さん(77)の豆畑で、秋の味覚「黒枝豆」を摘み取る作業を体験した。広瀬さんは57歳で役場職員を退職してから豆栽培を始めて園児と交流するようになり、今年でちょうど20年。「今年の豆は上出来」と話し、園児たちがにぎやかに豆をもぎとる様子に目を細めていた。
同園は、広瀬さんの厚意で園児が地域の特産物に触れ、実体験を通じて「食」に対する感謝の気持ちを育む機会にしている。
園児たちは自分の顔がすっぽり隠れてしまうほどの枝ぶりをした枝豆を持ち、さやを小さな手で一つひとつ取り、「この豆でっかい」「変な形の豆があった」などと話したり、先生に見せたりしながら作業をがんばっていた。
広瀬さんは、「元気で丈夫に育ってほしいという気持ち。大きくなった子どもたちがこの体験を覚えてくれているのか、畑の近くを通ったときに『おはよう』『ただいま』と声をかけてくれるのが何よりうれしく、私の財産」と話していた。