地域振興を移住の観点から進めていこうと研究している、兵庫県丹波市の柏原高校「知の探究コース」2年生の地域振興班の5人が、学びを深める取り組みとして、11月29日午後1時からオンラインで、同市への移住を考えている人たちの相談に乗る催しを計画している。参加者に田舎暮らしや田舎の子育て環境をプレゼンテーションするため、資料作りのノウハウを教わったり、予想される質問に対して回答を用意しておこうと、このほど、同校に市の移住相談窓口業務に携わる3人をアドバイザーとして迎え、打ち合わせを行った。
アドバイザーは、市から業務を受託している丹波市移住相談有限責任事業組合の2人と、市役所定住促進課の職員。相談会は「Zoom」(ウェブ会議アプリ)を利用する。
生徒たちは、より良い子育て環境を求めて移住を希望している人が多いことを予想し、「私たちがどのようにして今日まで育ってきたのか、幼少期の体験や小中高の学校生活を高校生らしく率直に話したい」などと提案していた。
アドバイザーの中川ミミさんらは生徒たちに、「誰に向けて何を話すかを練り込む」「『のびのびとした田舎』とPRしようと説明文をずらりと並べるよりも、写真の方がイメージしやすいので、資料にはたくさんの写真を用意しよう」などとアドバイス。「移住希望者は現状の何に不満を感じ、何を求めて丹波への移住を考えているのかを聞き出すと、返答もしやすい」などと提案していた。
男子生徒は、「新型コロナウイルスの影響で田舎への移住人気が高まっていると聞く。相談者の方々に、たくさんの情報を持って帰ってもらいたいので、しっかりとデータを集めておきたい。僕たちも生の声を聞いて移住のニーズを読み取り、探究を深めたい」と話している。