兵庫県丹波篠山市の里山工房くもべ(旧雲部小学校)で「革工房mimi」を構えている鈴木恵美さん(40)と、「さをり織り」歴3年でダウン症のある長男、陵汰朗君(19)が、革とさをり織りをコラボしたバッグ作りに取り組んでいる。初の作品展を来春に開催することを目標にゆっくりと進めており、恵美さんは「自由な発想で作品を作っていければ」と話している。
「さをり織り」は、手織り機を使って、太さや色、素材の違う縦糸と横糸の組み合わせで自由な作品が作れる技法で、趣味としてだけでなく、障がい者の教育や就労の一環としても人気が高い。
恵美さんは、同工房でバッグや財布、ペンケース、ベルトなどを作って展示販売。陵汰朗君は篠山養護学校高等部2年生時から、さをり織りを始め、小物ケースやストラップ、ヘアゴムなどを作ってきた。
障がい者が作る作品は安く販売されることが多いため、恵美さんは付加価値を高めることはできないかと考え、陵汰朗君とのコラボ作品作りに昨年から取り掛かった。
陵汰朗君は同工房で週1回程度、アドバイスを受けながら1日10センチほどのペースで制作に励んでいる。これまでに、色鮮やかなさをり織りの布地で、両サイドに革を使ったハンドバッグ2つを制作した。
恵美さんは「革製品用のミシンで互いの素材を縫い合わせるのが難しい部分もあるけれど、お客さんに長く使ってもらうため、強度や形などにこだわりながら作っている」と言い、作品は同工房に展示している。
陵汰朗君の制作風景をインスタグラム(アカウント名「white .pocket7」)で発信している。