「抜き打ち」の避難訓練 「自分で考え、判断を」 児童と先生が協力

2021.01.19
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地震発生を告げる訓練放送が流れる中、机の下に潜り込む上久下小の児童=2021年1月14日午前10時23分、兵庫県丹波市山南町青田で

26年前の1月17日に発生した阪神・淡路大震災を教訓に、兵庫県丹波市の上久下小学校(60人)でこのほど、避難訓練があった。いつ起こるか分からない地震に対し、児童たちに自分の命を自分で守る力を身に付けてもらうため、主体的に考え、判断して避難する体験になればと、訓練日時を伝えない「抜き打ち」で実施。教職員にも緊急時の対応力を養ってもらおうと、日時こそ伝えていたものの避難集合場所は公表せずに行った。

児童たちが運動場で遊んだり、教室でくつろいだりしていた休み時間に突如、地震発生を告げる訓練放送が鳴り響いた。運動場にいた児童は、グラウンドの中央に集まって身をかがめ、教室にいた児童は机の下に潜り込んだ。

校内放送で揺れが収まったことと、校舎の被害状況が報告され、ガラスが散乱して階段が使えず、連絡通路も崩落して通れないことから、校舎北側の駐車場に避難するよう指示があった。教員らは放送内容に耳を澄ませ、安全に通行できる通路を選び、けが人役の5年生2人を含む、児童たちを避難集合場所へと誘導した。

訓練後は、メモリアル集会を行い、同校教員で、震災・学校支援チーム「EARTH」の隊員でもある貴田諭教諭が、阪神・淡路大震災発生時の様子を写真で紹介し、児童たちに震災の教訓から、自分にできることは何かを考えさせた。

けが人役を務めた女子児童は、「友だちが駆けつけ、『大丈夫?』と声を掛けてくれた時はほっとした。もっと早く見つけてもらうためにも、けがしていることを大きくアピールすればよかった」と振り返り、6年生の男子児童は、「6年生は自分の命を守りながら、下級生も助けられるよう気を配り、行動しなくては」と話していた。

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