「三代目 J SOUL BROTHERS」の岩田剛典さん、若手俳優の新田真剣佑さんが共演した映画「名も無き世界のエンドロール」が、29日に全国ロードショーとなる。2019年8月には兵庫県丹波市柏原町の「内堀自動車鈑金」(内堀泰三代表)でも撮影が行われ、当時、丹波地域でも話題になった。配布中の「ロケ地マップ」にも紹介されている。
同作品は、行成薫さんの同名小説が原作のサスペンス・エンターテイメント。岩田さんと新田さんは、固い絆で結ばれた幼なじみを演じる。表と裏、それぞれの世界でのし上がった2人は、一人の上流社会の女性に近づき、プロポーズしようとするが、実はある壮大な計画の実行だった―というストーリー。監督は、「累―かさね―」などを手掛けた佐藤祐市さん。
同社工場での撮影は、2日間にわたって行われ、岩田さん、新田さんのほか、俳優の中村アンさん、「ハウンド・ドッグ」のボーカルで俳優の大友康平さんが参加。スタッフを含め約90人が訪れ、近くのコミュニティセンターが待合室になった。
同県内ロケ地の窓口になっている「ひょうごロケ支援Net」(神戸市)によると、主要場面の撮影地が神戸に決まったため、岩田さん、新田さん、大友さんが働く「板金塗装屋」を県内で探したという。希望に沿う紹介先が見つからなかったため、制作会社が自ら探し、内堀自動車鈑金に白羽の矢が立った。
同年7月に監督やスタッフら約20人が下見に訪れ、正式に決まった。内堀代表(67)は「宝くじを買っていないのに当たったようなすごいこと。ほんまかいなと思った」と笑う。
同社での撮影は、ある計画を企てるきっかけになる場面で、重要シーンの一つ。内堀さんと息子の泰人さん(37)は、俳優に簡単な車の整備の仕方を教えたり、要望に応えて車を壊したりする難しい作業などにも協力した。
撮影前、原作小説を買って読んだという泰人さん。映画撮影を間近で見学し、「どうやって映像が作られているのかが分かり、面白かった。台本は一切見ず、いきなり役に入るので、さすが役者さんだなと思った」と話す。内堀代表は「工場内には50人ほどいて密だった。今なら同じ撮影はできなかったのでは」と振り返った。
内堀さん親子は、「自分の工場がどう映っているか見たい」と公開を楽しみにしており、「ぜひヒットしてほしい」と話していた。
映画は兵庫県と岡山県で撮影された。ロケ地マップには、県内8カ所を含む10カ所が掲載されており、県内では1万部をロケ地や道の駅などで配布中。