「信号機さん、お疲れ様」 設置半世紀、役割終え撤去 利用は「1日6回ほど」

2021.01.29
ニュース地域

信号機が撤去され、停止線が引かれカーブミラーが付いた成松交差点=2021年1月21日午後2時59分、兵庫県丹波市氷上町西中で

兵庫県丹波市氷上町にあった「成松」交差点の信号機(赤と黄の点滅)が今月、撤去された。設置から半世紀、静かに役割を終えた。市内で撤去例は少ないが、県警は、必要性が高い場所で信号機の整備を進める一方で、老朽化し、必要性が低下した信号機は撤去を進めている。

県道と市道の交差点。丹波署によると、昭和44年(1969)に設置された、市内で6番目タイの古い信号機。当時、近くに「わかば保育園」(中央保育園の前身)があった。氷上中学校の通学路も加古川沿いに変わり、中央保育園も閉園になった。歩行者が道路横断のためにボタンを押す回数は、昨年で「1日に6回程度」(同署)だった。

地元の氷上町西中連合区の理解を得て、撤去。新たに停止線を引き、カーブミラーを付けるなどの安全対策を講じた。

撤去を打診された当時の連合区長の山本寿朗さん(68)は「ボタンを押した数が勘定されていて驚いた」と言い、「これまで大きな事故はなく、信号機がなくなったことで事故が起きたら心が痛むので、気を付けて運転をしてほしい」と話している。

県警は、▽小中学校の統廃合や、商業施設の移転などのため、横断需要が低下した場合▽信号機が設置されているにもかかわらず、車の通行量が少ないことによる信号無視など、守られない信号機となっている場合―は必要性が低下したと考え、撤去を検討するとしている。

関連記事