2024年で創建1000年の節目を迎える兵庫県丹波市の柏原八幡宮が、経年劣化により傷みが目立ってきた本殿の屋根や境内の鳥居、参道などを改修する費用の寄付を募っている。同年開催予定の「ご鎮座1000年奉祝祭」に向け、「令和の大修造」と銘打ち、今年から3年間かけて改修工事を計画している。
同八幡宮は、万寿元年(1024)に京都・石清水八幡宮の丹波柏原別宮として鎮座。現在の本殿は豊臣秀吉によって再建されたもので、華やかで美しい彫刻が施され、桃山時代の建築様式を今に伝える建造物として、国の重要文化財に指定されている。しかし、前回の修造から約50年が経過し、檜皮葺きの屋根は所々で雨漏りが見られるという。
参道も明治44年(1911)に土道から石畳・石段へと造成されて現在に至っているが、100年を超えた今、あちらこちらにくぼみやひび割れができ、足場が悪くなっている。
本殿前の鳥居は江戸時代に造られたもの。部材内部が腐っており、全面建て替えが必要という。
寄付目標額は2億円。1万円を1口(1万円未満も可)とする。振込方法は、同八幡宮境内などに置いている「令和の大修造趣意書」に添付している郵便払込取扱票を活用するか、現金書留を利用、または直接、社務所へ持参する。
寄付額に応じて、芳名の永久保存や、芳名板、玉垣の設置などの待遇がある。同八幡宮の千種正裕宮司(72)は、「先人たちがつくりあげた丹波が誇る文化財を将来へとつなげ、形として残したい」と話している。