兵庫県丹波市の山々を駆け抜けるトレイルランニング(トレラン)の大会を、有志6人が企画している。壮大な雲海や眼下に広がるパノラマの景色など、丹波の絶景ポイントを盛り込む約160キロ(100マイル)のコースを想定しており、登った標高の合計「累積獲得標高」は1万4000メートルと海外で開かれる大会と肩を並べる。来年、予定する本大会「TAMBA100アドベンチャートレイル」を前に今年11月26―29日、本番と同じコースを走るプレ大会を開く。トレラン好きの“身内”だけで楽しむのではなく、地域おこしにつなげたいとの思いから、行政や地元自治会、各種団体らの協力を希望している。
プロのトレイルランナー・中谷亮太さん(29)が実行委員長。中谷さんは、昨年で幕を閉じた、明智光秀ゆかりの黒井城跡登山道を使ったトレラン大会で実行委員長を務めた経験があり、運営ノウハウを生かす。
コースは最終決定には至っていないが、7月にオープン予定の同市青垣町大名草のキャンプ場が発着点。一部ロードを走るが、ほとんど山中を駆け抜ける。コースに城跡など名所を盛り込む。制限時間は60時間に設定する予定。
山の所有者から使用許可を取っている段階で、現在、7割ほどは了承を得ており、コースであることを示す白いポリテープ(「走る栄養研究所」と記載)を木に巻いている。
走りごたえある山々連なる 競技・観光両面で好環境
中谷さんによると、日本では100マイル規模の大会は関東で3つあるが、いずれも累積獲得標高は1万メートルに届かない。丹波の山は最高峰でも1000メートルに満たない低山だが盆地で、トレイルランナーからすれば走りごたえのある山々が連なる上、絶景ポイントも多くあってハイカーも楽しむことができるため、競技面と観光面の両方を兼ね備えた環境という。
レースには、水分や食料を補給する場所「エイドステーション」が10カ所ほど必要で、地元自治会の協力が不可欠という。麓の公民館などを想定しており、住民に炊き出しの協力が得られないか交渉に当たる。中谷さんは「他の大会では、ランナーと地域住民が年に1度の大会を楽しみにしているところもある。共に地域おこしにつながるような活動ができる関係性を築ければ」と語る。
プレ大会はランナー30人ほどの出場を予定し、来年の本大会は300人規模を計画。中谷さんは「大会によって山の道が踏み固められ、ハイカーも楽しめるコースになれば」と期待している。
共に活動してくれる団体らを募っている。中谷さん(080・4230・3069)