兵庫県丹波篠山市のJA丹波ささやまは、コロナ禍の丹波篠山を元気づけたいと、市民らに「夢」や「今思うこと」を手書きしてもらった樹脂板2244枚で、市内の風景をデザインしたモザイクアートを制作した。企画から約1年がかりで完成させた力作。同JA丹南支店の店内で今月いっぱい展示し、その後、来年まで市内各支店などで巡回展示する。
作品は、縦2・2メートル×横4・4メートル。6センチ四方の樹脂板を碁盤目状に並べている。樹脂板は12色あり、少し離れて見ると、多紀地区の風景写真をもとに描かれた山並み、青空、田んぼと、「ゆめのせて たんばささやま」の文字が浮かび上がる。
樹脂板への書き込みは、市内の小中学校と同JAの支店窓口で昨年に募集。時節を反映し、「コロナが収まりますように」「ワクチンを作る人になる」など、新型コロナウイルスに関連したものが多くあるほか、将来就きたい職業や目標、家族への思いなどが寄せられた。
同JAは、昨年4月ごろから窓口担当者のリーダー会で話し合いを始め、「元気が出るような展示を」と、市民の“思い“を集めたモザイクアートに挑戦することに。耐久性のある軽いプレート素材はないかと、市内に本社がある共栄樹脂株式会社に相談。同社柏原工場(兵庫県丹波市)で製造した透明樹脂板を仕入れることになり、着色はJA職員らで行った。樹脂板の貼り付けや、木枠作りも職員らが思いを込めて作業した。
中心になって制作にあたった金融部貯金課の石橋秀和課長は「よくこれだけの人に書いていただけたと思う。子どもたちにも自分のプレートを見に来てもらえればうれしい」と話していた。