コロナ禍でブルーベリー園の摘み取りを中止している兵庫県丹波篠山市の「ふたばカフェ」と、同園でブルーベリーのオーナー制を企画しているNPO法人「里地里山問題研究所(さともん)」が、「移動式ブルーベリー園」を6月下旬から実施する。鉢植えのように土を入れたバッグに植えたブルーベリーの木を受け入れ先まで運び、摘み取りを楽しんでもらう試みで、摘み取りをしてみたい子ども関連施設や、この企画を応援するスポンサーを募集している。
同園の栽培方法は、「バッグ栽培」と呼ばれ、農地に植えずに、土や養分の入ったバッグにブルーベリーを植え、足元にマルチシートを敷き、摘み取りやすい環境にしている。
8年ほど前から摘み取り園を開いており、都市部の親子連れを中心に6月末―8月上旬、多くの来園者を迎えてきたが、コロナ禍の感染拡大防止のため、今年度は中止にした。
来園者を迎えることができないなら出向こうという逆転の発想で、同NPOが、移動できるバッグ栽培の利点を生かし、移動式摘み取り園を企画。高さ2―2・5メートルに育った、中粒で甘みの強い「ラビットアイ系」のブルーベリーを軽トラで受け入れ先まで運び、6月下旬―7月上旬の数週間貸し出す。受け入れ先は、子ども関連施設や高齢者施設などを想定。すでに市内の幼稚園が受け入れを希望し、スポンサーが見つかるのを心待ちにしている。
同店の西田博一さん(46)は「ブルーベリーは成木でも背が低く、子どもたちでも楽に摘み取りができる。厳しいコロナ禍だが、笑顔で乗り切りたい」とし、同NPOの鈴木克哉代表理事(45)は「楽しめる機会が少なくなった子どもたちや入所者の方に笑顔をお届けできるお手伝いができれば」と話している。
収穫目安量は約4キロ。15鉢限定。料金は1鉢3万8500円(税込)。市内は運搬費込み。市外は要相談。受け入れ先、スポンサーの申し込みは同NPOホームページへ。