田舎にある謎のバス 行き先は「三宮駅前」 白地に赤のライン、正体は…

2021.09.18
地域

白地に赤ラインの旧神鉄バスと、制服姿の田渕さん=2021年8月8日午後2時18分、兵庫県丹波市氷上町下新庄で

このバス、誰のバスー?兵庫県丹波市で、同市を走る路線バスなどではない、白字に赤ラインのカラーリングの「神鉄バス」が、同市氷上町に停まっている。行き先は「三宮駅前」。一体どういうこと―?

制服姿の運転手、田渕精一さん(61)=同市=は、「これは私物。私が所属するグループで買ったバス」と笑う。

田渕さんは、元大阪市交通局職員で18年間、大阪市バスの運転手を務めた。8年前に丹波市にIターンし、いなか暮らしを楽しんでいる。バスの愛好家グループに所属しており、「都会では駐車場代が高くつくから、私が預かっている」。

現在走っているバスの1世代前のもの。前の所有者の、なるべく現役当時のまま使ってほしいという意向を受け、外観はほぼそのまま。商用利用はできず、グループの旅行や、集落の人をグラウンドゴルフ会場に乗せて行くといった使い方をしている。

乗車定員が30人を超えると車検を通すのが難しくなるため、シートを何席か外し、30人ちょうどにしている。料金ボックスはないが、行き先を示す方向幕などは、現役当時のまま。車内放送設備も生きている。

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