黄金色の稲穂がたわわになった兵庫県丹波市柏原町の男性の田んぼで、「カヤネズミ」の巣が見つかった。イネの葉を使って、地表から約1メートルの高さに直径10センチにも満たない球形の巣を作っている。
カヤネズミは、尾を除いた頭胴長が約5―8センチと国内最小のネズミ。巣の中央に直径2センチほどの穴が開いており、中をのぞくと、もぬけの殻だった。
この田んぼの稲刈りを受託している女性によると、カヤネズミの巣を毎年数個は見かけるという。7―8年前には、巣の中に小指の先ほどの小さなピンク色をした赤ちゃんが入っていたこともあった。
「インターネットで調べると、絶滅危惧種に指定されている地域も多く、イネを食べることはほとんどないともあった。何も悪さをしないのなら大切にしてやらないとね」と女性。「稲刈りをしていたら、また見つかると思うけど、そのままコンバインで刈り取るようなことはせず、田んぼの傍らにそっと避難させてやります。そんなことやっている暇がないほど忙しいですけどね」と笑った。