ゲストハウス運営 西本和史さん(丹波篠山市)

2021.02.21
たんばのひと

西本和史さん

「豊かな暮らし」を提案

丹波篠山市の城下町の一角にある一棟貸しのゲストハウス「Taos」を運営。築100年を超える古民家は当時の趣を残したまま改修したほか、調度品や家具にもこだわりを持たせており、訪れた人々は「丹波篠山での豊かな暮らし」を疑似体験できる。歴史ある町並み、施設前を流れる小川、まちを包む朝霧。春には眼前に満開の桜が開く。「ここでの暮らしを体感し、移住や起業を考える人が、一歩踏み出すきっかけになる場所になればと思っています」とほほ笑む。

同市小多田出身。大学で経営学を学び、不動産会社やホテルに勤めた後、地元で同級生とIT事業などを行う会社「いなかの窓」を設立した。営業やデザイン提案などに力を発揮したが、5年の節目を迎え、「もう一度、ゼロから事業を起こしたい」と退社。知人と「キブツ株式会社」を立ち上げ、昨年1月からゲストハウス運営に乗り出した。

利用客とは密に連絡を取り、希望に沿って地元民だからこそ知るおすすめの店やスポットを紹介。船出とともにコロナ禍の波が押し寄せたが、一棟貸しであることが好評を博し、40代以下の若い世代から支持を得ている。宿泊後、移住相談に出向いた人もいたという。
「雑誌などで丹波篠山のことを知り、大きな目的を持たずに来る人もいれば、自分の趣味にはまっている店に行きたいという人も。想像以上に丹波篠山の観光は期待できると感じています」

ITやゲストハウスを仕事にしたかったわけではなく、「課題」を見つけ、それを商売にすることに楽しさを見出していると言い、「これからもその時々で求められること、喜んでもらえることに取り組んでいきたい」と語る。31歳。

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