兵庫県篠山警察署のマスコットキャラクター「ササイノくん」が誕生した。コロナ禍で、学校で交通安全教室などをする機会が制限される中、事故防止の啓発に役立てる。ぼたん鍋発祥の地として知られる、丹波篠山のシンボル的な存在のイノシシをモチーフに、同署警務課の北村真菜巡査(24)がデザインした。同署は「市民から愛されるキャラクターになれば」と願っている。
丸みを帯びた愛らしいフォルムに、制帽、制服を着たササイノくん。北村巡査は「あまりガチャガチャしない、シンプルなデザインを意識しました」と笑みをたたえる。
愛称は署員から募り、同署の略称「ササケイ」と、「イノシシ」に掛けて命名。全38案を幹部らが審査した。
市内を巡回するパトカーに、ササイノくんの入ったマグネットシールを貼ったり、兵庫県警のツイッターやフェイスブックなどのSNSアカウントに登場させたりする。
同署は例年、4、5月に市内の全学校を回るペースで安全教室を行っていたが、今年は1度も実施できていない。森英司交通課長(43)は、「子どもたちが、『ササイノくんが見とるから気をつけよう』という気持ちになってくれればうれしい」と話す。北村巡査は「怖いイメージを持たれがちな警察に親しみを持ってもらうきっかけにもなれば」とほほ笑んでいる。
同県警には46の警察署があるが、署独自のマスコットキャラクターがあるところは珍しいという。