兵庫県の丹波、丹波篠山両市の消防本部と警察、県立丹波医療センターの災害派遣医療チーム(DMAT)、丹波市立看護専門学校の総勢約80人が11日、丹波市消防本部で多数傷病者対応合同訓練を行った。参加機関には事前に訓練内容を伝えないやり方で進め、救急隊の現場活動能力の向上と関係機関との連携強化を図った。
訓練は、同市氷上町稲継の交差点で大型貨物と普通車など車3台が絡む事故が発生し、歩行者10人を含む20人以上の傷病者がいるという想定。
駆け付けた警察は2次被害防止のため、事故現場を速やかに封鎖し、負傷者の救護のほか、被疑者と被害者、目撃者らと共に実況見分を実施。消防は応急救護所となるブースを設営し、無線で関係機関と状況を共有しながら、負傷状況に応じて治療の優先度を決めるトリアージを行った。DMATは傷病者の応急処置などに当たった。
丹波市消防本部の酒井政征係長(48)は、「今回の反省と成果を生かし、質の高い救助活動につなげたい」と力を込めた。救急隊役で参加した看専3年の武田悠希さん(21)は、「来春には現場に出る。看護師という職業に改めて責任感を感じている」と話していた。