解散に伴う衆議院選挙(31日投開票)が公示されて1週間近く経過し、候補者の訴えも日を追うごとに熱を帯びている。丹波地域を含む兵庫5区から立候補している日本維新の会・新人の遠藤良太氏(36)=三田市=、立憲民主党・元職の梶原康弘氏(65)=丹波篠山市西岡屋=、自民党・前職の谷公一氏(69)=美方郡香美町=の3氏=届け出順=がそれぞれ訴える、新型コロナウイルス対策や重点課題、また丹波地域の振興策などをまとめた。
◆遠藤 良太氏(維新)
「情報インフラ整備を」
―自公政権の評価は
党利党略、既得権、利権政治だ。行財政改革、規制改革ができておらず、成長戦略もなく、日本の国際競争力の低下を招いた。3人の子育て中だが、子の将来を考えると不安で、不信感を持っている。
―新型コロナウイルス対策は
維新が大阪で取り組んだ、初期段階でしっかり患者に対応する臨時医療施設「野戦病院」が非常に重要だ。おそらくコロナはなくならず、予防接種をしながら付き合っていくことになるだろう。
―重点的に訴えたいことは
子育て世代への支援を厚くし、将来を担う世代の人材育成に投資する。教育の無償化、給食費の無償化、18歳までの医療費の無償化だ。都市部から労働世代を呼び込む。地方分権の推進、シルバー人材の働く場の創設にも取り組む。行政の無駄を省き、財源を生み出し、改革につなげる。私は36歳。他の兵庫5区の候補は69歳と65歳で、私の父親世代。世代交代が必要だ。
―丹波地域を発展させるには
コロナで働き方が変わり、都市部に住んでいなくても、リモートワークができるようになった。そのためには、どこにいてもwi―fiがつながるよう情報インフラ整備が必要だ。インターネット環境があって初めて、リモートで仕事ができる。そういったところから企業誘致に注力しなければいけない。ブランド化されている農産物を、国内にとどまらず、世界に出していくことが重要だ。発信にはネットが必要で、環境整備がいる。
◆梶原 康弘氏(立民)
「企業誘致し過疎対策」
―自公政権の評価は
コロナが始まってからの政治が機能していないと思う人も多いはず。また、強いものがより強くなり、不採算を切り捨てる政治は、もうここで方向転換しないといけない。
―新型コロナウイルス対策は
医療現場への支援強化や検査の充実、入国管理の厳格化、さらには生活苦や経営難に直面する人々への徹底支援も必要だ。また、時限的に消費税を5%に引き下げ、家計を助けるとともに景気を回復させて税収増を図る。コロナ対応の臨時病院を整備し、感染してもちゃんと入院できる状況をつくる。
―重点的に訴えたいことは
民主党政権時、農家の戸別所得補償制度の設立に関わった。今の政府の政策は大規模化だが、中山間地は小規模のため不可能。小さな農家を守るためにも、もう一度、戸別所得補償をやる。
―丹波地域を発展させるには
未曽有の災害が想定されているが、大企業は再建を待つよりも工場を海外で展開し、経済、財政、雇用が失われ、日本が空洞化する。リスクを回避するために都市部に集中した生産拠点、住宅を地方に分散する。そのための投資減税や土地利用の緩和、道路アクセスの向上も行う。阪神間からの距離や自然環境など、丹波地域はすごく良い条件を備えており、高速道の整備で丹波地域は物流拠点にもなり得る。それが日本経済の浮揚になり、丹波地域の過疎化、人口減少、耕作放棄地の増加を食い止めることにもつながる。
◆谷 公一氏(自民)
「地方創生の施策強化」
―野党について
国政選挙での野党共闘は最低限、国民の命と暮らしを守る安全保障面での合意が必要だ。今日の野党共闘は、自衛隊や日米安保などに合意があるとは思えない。また、税の負担は軽く、給付は一律に厚くという姿勢はポピュリズムの色彩が濃い。無駄をなくせば増税しなくても金は捻出可能と述べた、かつての民主党を思い出させる。
―新型コロナウイルス対策は
コロナに対応する病床、医療人材の確保、県内での臨時医療施設などの設置を進める。ワクチンの若い世代への接種の加速と、治療薬の早期認証と確保、国内開発と生産体制を確立させる。感染対策を継続しつつ、社会経済活動の制限緩和への工程表を示し、傷ついた経済を立て直す。
―重点的に訴えたいことは
当面は、コロナ収束と経済再生が最優先。コロナによる収入減少に苦しむ人や事業者への支援を強化する。また、人口減少に対処するため、子育て世代支援と子育て環境の抜本的な強化、安全で魅力的で誇れる地方創生のための施策強化を図る。
―丹波地域を発展させるには
最大の課題は人口減少、少子高齢化への対応だ。安全で、魅力的で、人を引き寄せ、住民が誇りに思えるまちづくりが必要。多くの施策を一体的に、子育て、教育、働く場、医療、福祉、インフラなどを充実強化できる仕組みが必要だ。丹波市はブランド力の向上、丹波篠山市は高ブランド力を観光、移住にどう結びつけるかが課題だ。
■期日前投票始まる
衆議院選挙(31日投開票)の期日前投票が20日、始まった。20日は23人(前回選挙初日=43人)、21日は82人(同2日目=139人)が投票した。
30日まで、氷上センター、柏原住民センター、青垣住民センター、春日住民センター、山南支所、市島支所で投票できる。いずれも午前8時半―午後8時。