兵庫県丹波篠山市内は23日朝、濃い霧に包まれた。秋から冬にかけて発生する風物詩の「丹波霧」だ。
盆地で昼夜の寒暖差が大きい内陸性気候による丹波篠山特有の霧。乾燥しがちな季節にあって、丹波霧は農作物に適度な水分を供給することなどから、黒大豆や山の芋などの特産を生み出す要因の一つとされる。
通学路の農道では、小学校や中学校の子どもたちが数メートルしか見通せない深い霧の中を、「きょうも真っ白や」「昼には晴れると思うで」などと話しながら行く。凛とした白い朝の登校は、大人になっても記憶に深く刻まれている。