NPO法人「住まいの環境研究所」理事長 上郡清政さん(丹波市)

2022.02.19
たんばのひと

上郡清政さん

2つの特許で快適さ追求

「外断熱」「二重通気工法」による家づくりによって、冷暖房機器を多用しなくても、年中、家全体を室温20―28度、湿度40―60%に保てることを、20年以上にわたって集積してきたデータから実証し、昨年までに2つの特許を取得した。「病気になりにくい家」「100年住める家」の実現に向けた考え方を広めるため、2冊の著書を出版し、ユーチューブでのPRも展開。住宅見学会や健康セミナーの開催は170回を超え、昨年はNPO法人を設立するなど、71歳となった今も健康住宅への熱い思いは衰えを知らない。

建築コンサルタント会社「住まいの権」を経営。モデルハウスを兼ねた自宅を訪ねて来た人にはまず、居間に数年前から放置しているというカラカラに乾燥した食パンと餅を差し出す。「カビが全く生えていないでしょう。余分な湿気がなく、室内の空気を常に循環させているからこそなせる業。コロナの家庭内感染防止にも一役買うのでは。アトピーやぜんそくが改善したとの声も届いています。この家を建てて21年。私も妻も1度も風邪をひいたことがありません」

呉服屋、瓦販売業の営業、瓦葺きの職人、建築会社経営と歩んできた。「これらの職業を通じて家を内外からつぶさに見てきた。この経験から今の家づくりが生まれた」

「木が持つ調湿・蓄熱作用を利用した家づくり。効果の高い地元材を生かせる。昔ながらの技術を持つ地元大工らの手も必要。これにより地域の活性化はもとより、健康寿命延伸による医療費の削減など、日本が抱える課題の解決にも寄与できるのでは。この考えを全国へ発信していく。面白くなってきそうだ」

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