農作物を荒らすなどの被害をもたらすサルを畑に近づけない「追い払い花火」の扱いを学ぶ「煙火消費保安手帳取得講習会」が20日、兵庫県丹波篠山市畑地区の拠点施設、みたけ会館などで行われた。午前は市有害鳥獣対策推進協議会が、午後はみたけの里づくり協議会が主催し、計約60人が受講した。狩猟の際に犬の鳴き声を響かせながら飛ばすドローンの説明会もあり、参加者たちは、サルの追い払いへの活用も見据えながら興味深そうに見学していた。
同講習会は、ロケット花火よりも火薬量の多い「動物駆逐用煙火」を使用するにあたり、受講が義務付けられている。同講習を受け、保安手帳を所持している人のみ同煙火が使用できる。同有害鳥獣対策推進協議会は、新規と更新の講習会を年1回ずつ開催。これまでに約160人が受講している。このほか、畑地区のように地域で開催するケースもある。
日本煙火協会の会員、株式会社ライズ(岡山県)から講師を招き、点火や発射時の注意点、保管方法などについて説明を受けた。また、屋外で実際に煙火を発射する実技も行われた。同有害鳥獣対策推進協議会の講習会に参加した男性(37)は、「自分の畑で被害を受けたことはまだないが、集落の中でよくサルを見る。少しでもサルが来る頻度が減れば、村の人への被害も減る」と思い受講。「煙火は思った以上に発射音が大きかった」と話していた。
ドローンの説明会では、狩猟用や農薬散布用ドローンが紹介された。株式会社アエロジャパン(京都府福知山市)と京都府猟友会が共同開発したハンティングドローンは、猟犬の鳴き声を響かせることや、煙火の発射が手元のコントローラーでできる優れもの。カワウやカラスの追い払いにも利用されており、「『犬猿の仲』というくらいなので、サルにも効果があるのでは。ほかにサルが嫌う音があれば、それを響かせることもできる」などと説明していた。