兵庫県丹波市は、このほど開会した市議会定例会で、新型コロナウイルス対策などとして提案した一般会計追加補正予算案の中に、市内小中学校や市役所の一部、総合運動公園や市立公園などのトイレ計193基を洋式化する予算を盛り込んだ。ふたがある洋式トイレは、流した水が和式と比べ飛沫拡散防止に一定の効果があるとされることを受けたもの。蛇口に手を触れない手洗い場の自動水栓化も行う。一部の施設では、現状ではふたがない洋式トイレにふたを取り付ける。
工事費や実施設計の委託料を含め4429万2000円を計上し、うち3498万8000円は国のコロナ臨時交付金を充てる。
学校関連では、小学14校、中学4校の和式計142基を洋式化し、手洗い場は計72基を自動水栓化する。設計委託料2700万円を計上し、工事は今年8月―来春を予定。工事費は新年度当初予算案に盛り込む。
市教育委員会によると、市内小中学校の洋式化率は50%ほどで、今回の改修により75%ほどになるという。一昨年の文部科学省の調査では、県内の公立小中学校の洋式化率は60・9%。
市は、家庭では洋式が主流で、和式が使いづらいという児童がいることもあって、校舎の大規模改修時には和式を設置しない「完全洋式化」を進めている。市教委は、「新年度に入学する児童家庭の声を聞いたところ、洋式トイレの方が良いという回答を得ている」と話す。
このほか、市内の総合運動公園、市内各所にある公衆トイレ、市役所内の一部なども洋式化する。