店舗や公民館などにひな飾りを展示する兵庫県丹波市柏原地域の恒例イベント「丹波かいばら雛めぐり」が、11会場で開かれている。幕末から平成までに作られた各時代の雰囲気が漂うひな人形が勢ぞろい。豪華絢爛な七段飾り約30基を展示しているほか、御殿飾りや内裏びな、市松人形、つるしびななども併せて飾っている。さらに今年はコロナ禍を反映して、疫病退散のお守り「さるぼぼ」を制作し、各会場とその周辺の民家や店舗の軒先に飾っており、織田家ゆかりの城下町は、みやびで華やかな春の気配に包まれている。4月3日まで。
「まちも人も元気にしていこう」と、柏原自治協議会、観光まちづくりの会、まちづくり柏原、市商工会柏原支部で実行委員会を組織し、今年で5回目の開催。
メイン会場の「かいばら一番館」では、103歳の女性が所有している大正時代に作られた「内裏びな」をはじめ、昭和、平成時代の七段飾り15基が飾られている。ほかにも、2階へと上がる階段をひな壇に見立ててひな人形を飾った、「十数段飾り」や、たくさんの小さな人形を糸で結わえてつるす「つるしびな」も天井からびっしりとぶら下げられて、にぎやか。地元の小学校児童による習字や俳句、絵画も展示している。
「さるぼぼ」は、岐阜県飛騨地方で古くから作られている人形で「猿の赤ちゃん」を意味するという。「サル」を「去る」と当て、「厄が去る」「病気が去る」として厄除けの意味も持つ。有志ら針仕事を得意とする女性が集まり、昨秋からこつこつと1500体ほどを制作、約250カ所で飾っている。メンバーは、「コロナの収束を願い、一致団結で頑張りました」とほほ笑んでいる。