昨年7月から丹波市が再整備を進めていた「道の駅丹波おばあちゃんの里」(兵庫県丹波市春日町七日市)が26日午前10時から、リニューアルオープンする。物産館の売り場面積を約2倍に拡張し、これまで春日地域の出品が多かった野菜や加工品を丹波市全域に広げる。施設横の公園に大型遊具を2基増設するほか、おむつやおしりふきなどが買える自販機を設置し、子育て支援を充実。市内外の観光情報を発信する「観光情報センター」の新設や、普通車93台分がとめられる駐車場を整備するなどし、市の地域産業振興に加え、北近畿観光の“窓口”として誘客を図る。
物産館を156平方メートルから320平方メートルに拡張。野菜は地元産を、加工品は丹波市産を中心に近隣地域の商品も扱う。
南側の公園「遺跡公園」には、恐竜をモチーフにした遊具に加え、七日市遺跡にちなみ、氷河時代に生息したナウマンゾウをイメージした遊具を新設した。
既存レストランに併設する観光情報センターには、市観光協会が入居。各棟を結ぶ屋根付き渡り廊下も各所に設けた。
同施設の野原正章支配人によると、過去、9000万円ほどだった野菜の売り上げは、2020年度はコロナ禍で客数が30%ほど落ち込んだにもかかわらず約1億1600万円を計上。リニューアル工事により3カ月間の休業があった今年度も1億円を超える見込みで、これらは物産館のレイアウトの見直しや、キャッシュレス決裁の導入などで客の購買意欲を高めたことが、客単価のアップにつながったという。「売り場面積の拡張により、新たな“仕掛け”ができる。商品の供給体制の強化や、営業戦略も新たに練る」と意気込む。
近隣地域ごとで違う観光シーズンを考慮し、各地に向かう観光客を呼び込む「客の共有」を目指すという。リニューアルに合わせ、手始めに4月に豊岡市但東町で行われる「チューリップまつり」の関係者らを招き、プレイベントを同施設で開く計画で、「地域ごとに強みがあり、お客さんが動く。丹波市にも寄ってもらい、広域間連携ができれば」と話している。
新年度には既存トイレを改修するほか、遺跡公園近くに親子で利用できるトイレを新設する。