兵庫県丹波篠山市倉本集落内に咲くシバザクラ約5000株が見頃を迎えている。特筆すべき史跡などもない中、「人を呼ぶ資源は自分たちの手で」と、地元住民が毎年植栽。鳥のさえずりが心地良く響く、のどかな田園地帯に、ピンクと白の2色の帯が鮮やかに浮かび上がっている。
周辺4集落でつくる「川上地区農地・水・環境保全向上対策協議会」の事業。2010年から毎年約500株ずつ増やしており、田畑ののり面や川沿いなどに咲き誇る。4種のシバザクラのほか、ハーブ1種も植わっている。鮮やかなシバザクラを一目見ようと、はるばる都市部から足を運ぶ人も多い。
シバザクラには「希望」という花言葉もある。「1日でも早く日常に戻ってほしい」と、同協議会役員の井貝敏夫さん(68)。「コロナが長引き、ストレスが溜まっている方も多いと思うが、綺麗な花を見てもらい、晴れやかな気持ちになって」と話している。