兵庫県丹波篠山市のJA丹波ささやまは、旅行者向けに丹波篠山茶の文化を体験するプログラムを企画。ネット予約の受け付けや、旅行社への販売を始めた。味間奥の茶畑などでこのほど、市民をモニターにリハーサルを行い、受け入れ態勢を確認した。
体験プログラムの内容は、▽生産組合による丹波篠山茶の歴史や特徴の説明▽茶畑の見学や写真撮影▽製茶工場の見学と説明▽「日本茶を楽しむ会Tan―te(タンテ)」による利き茶体験―。所要約1・5時間で5500円。オプションとして、茶娘衣装体験(2500円)、茶摘み体験(2000円、5・7・9月限定)を追加できる。
個人向けには遊び予約サイト「アソビュー」を通して、また、団体向けには神姫観光が旅行商品に組み入れて販売する。個人向けは5月13、14日と、6―11月(10月除く)の毎週金曜に同工場周辺で実施。団体向けは7月以降に熊野園で実施する。諏訪園でも茶娘衣装体験を中心にしたプログラムを用意する。
観光素材の掘り起こしと、体験プログラム化を狙った県の補助事業に応募。丹波篠山観光協会が同JAや丹波篠山茶生産組合に協力を得ながら体験プログラムを組み立てた。応募49件のうち、丹波地域で唯一、補助対象の32プログラムに採択され、さらに、重点10プログラムにも選ばれた。100万円の補助や専門家からの助言も得た。
リハーサルでは、丹波篠山観光大使や、同JA職員、茶に関心のある市民ら9人が参加。原田勇・同生産組合長から茶の歴史や茶まつりなどについて、谷後悟副組合長から製茶工場での工程などについて説明を聞いた。茶畑では茶娘衣装体験をして記念撮影を楽しみ、タンテの中尾真紀子代表を講師に煎茶、寒茶、やぶきた茶の利き茶を体験。各スタッフがプログラムの流れや時間配分、課題などを確認した。
参加した女性は「普段、お茶を飲んでいても知らないことがたくさんあり、利き茶はとても勉強になった」と話していた。原田組合長は「丹波篠山茶は、歴史はあるが、まだあまり知られていないので、これを機に少しでも知れ渡るようになれば」と期待していた。