兵庫県丹波篠山市の路上を歩いていると、ふいに少し先の地面がぶれたような奇妙な感覚を味わった。「はて?」と思い、じっと目を凝らす。地面が動いたのではなく、そこには鳥がいた。野鳥「イソヒヨドリ」の雌だ。
全長23センチほど。雄は頭から背中にかけて美しい青色なのに対し、雌は全体的に灰褐色だ。
鳥類には雄が派手、雌が地味という組み合わせがよくある。雄は雌に選んでもらうために派手になる一方、子を産み育て、巣にいることが多い雌は捕食者に狙われにくいよう、目立ちにくい地味な色になる。イソヒヨドリの雌も遠くから見ると道と同化しているように見え、保護色が見事に働いていることが実感できた。
普段、鳥を撮影する際はどうしても羽色が美しい雄を狙いがち。我々も雌の戦略にはまっていると言える。参りました。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)