移動書店が常設店舗開業へ 本楽しみつつ軽食・喫茶も 「人と本、人と人つなぐ」

2022.04.25
地域

開店準備中のライブラリーカフェ「mamimumemo Book Book」の前に立つ足立真美さん(左)、光洋さん夫妻=兵庫県丹波市氷上町絹山で

絵本を中心とした移動書店「mamimumemo Book Book」が、絵本などを読みながら食事や喫茶を楽しめる、ライブラリーカフェを丹波市氷上町絹山に開く。店主夫妻の自宅のそばに設けるもので、5月末のオープンを予定。親子連れでゆっくり過ごしてもらいたいと、本が汚れるのは覚悟の上、くつろぎの空間を提供する。

足立真美さん(41)、光洋さん(40)夫妻が経営する。2020年に真美さんが1人で移動書店を始めた。あちこちのイベントに出店し、本の魅力を伝えていたイベントが、新型コロナウイルスで軒並み中止に。その間、「小さな本屋と図書館」を自宅で開いていた。仕入れた絵本を販売するだけでなく、「図書館」として、移動販売を始めて知り合った人や友人、知人から寄贈された本を貸し出し、喜ばれた。ただイベントは不定期開催で、欲しい時に本を届けられず、車に積みきれない本を自由に読んでもらえる常設の店舗を持ちたいとの思いが募り、移動販売にプラスして店を持つことにした。

ライブラリーカフェ店内の完成予想図

趣味の木工を生かし、移動販売用の組み立て式本棚などの什器をつくったり、店の名物にとクラフトコーラ「キヌヤマコーラ」を考案するなど、陰で妻を支えていた光洋さんが脱サラし、2人で店を切り盛りする。自宅に隣接する農業倉庫を改装した店内(64平方メートル)に、約1000冊の本を置く。乳幼児が過ごせるスペースを設け、ワークショップができる大きな机を置く。厨房を併設し、カレー、ナポリタンなどの軽食と「キヌヤマコーラ」、コーヒーなどの飲料を提供する。

移動書店は絵本と児童書がメインだが、店は、レシピ本や小説など大人向けの本や要望の多い漫画も置く。

真美さんは「販売は移動書店で、ライブラリーカフェでは自由に本を読んでもらう。本と人、人と人がつながる場所に育てていきたい」と言い、光洋さんは「妻の出店について行き、工場勤めではなかった、人との出会いがあり、世界が広がるのを感じた。パソコンを広げ作業ができるカフェとしても使ってもらえたら」と話している。

整備と備品購入費用800万円のうち、100万円をクラウドファンディングで募っている。4月30日まで。詳細は、「ライブラリーカフェを丹波市に READYFOR」で検索。

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