トラウマつくらない―。兵庫県丹波市内の全小中学校で、新型コロナの影響で中止になっていた水泳の授業が3年ぶりに再開される。市教育委員会の方針に基づき、小学校の体育担当教諭らでつくる市小学校体育研究部は、児童の水泳技能や体力の実態を把握し、健康、安全を第一に考えて指導していくことなどを確認した。小学校では、現在より1―2学年下の学年のカリキュラムから始めて、段階的に指導していくという。水泳の授業時間数は、例年並みの10時間程度を予定している。
同市では、小学校の水泳授業における各学年の目標として▽1・2年=水になれる▽3年=息継ぎなしのクロールで12・5メートル▽4年生=クロールで25メートル▽5年生=クロールで25メートル以上▽6年生=平泳ぎ・クロールでともに25メートル以上―があるが、同研究部長の足立圭造・吉見小校長は「今年は目標到達を目指さない」とする。2年間の遅れを取り戻そうとするのではなく、来年度への引き継ぎを重視する。
小学校で初めてのプールになる3年生は、「最初は『顔つけ』ができないことを前提にやっていく」と足立校長。通常なら「小プール」から「大プール」に移る学年だが、小プールから入ることを考えているという。
足立校長は「水泳は学校で一番危険を伴う授業。無理をすればトラウマをつくったりすることにもつながりかねない。来年もまた水泳をやりたいと思えるように指導をしていきたい」と話している。