兵庫県丹波市市島町上竹田の祖父母宅に孫ターンし、こうじ製造・販売店「おかしなこうじや」を開業した本間速(はやて)さん(32)。丹波市内では珍しい、こうじ専門の業態。昨年6月に開業、2年目に入り、製造能力を高めるため、工房拡張工事を進めている。本間さんは、「こうじは、みそやしょうゆの醸造に使われていて、元々身近にある。こうじ、発酵食品を楽しむ生活を伝えたい」と意気込んでいる。
母屋で仕込み、新たに設置したコンテナで発酵させる。週に30―40キロの製造能力が、最大200キロになる。
食べて甘い、「おかしのように食べられる、甘くて柔らかい米こうじ」を造っている。そばの実、オートミールなど米以外のこうじも造っており、施設増設後は、丹波栗、丹波黒大豆のこうじ造りを視野に入れる。こうじの卸売りを増やすほか、オリジナル調味料の通信販売、イベントへの出店で、知名度アップにも取り組む。
「健康食品だと、今さら強調する気持ちはない。発酵は楽しいと伝えたい」と笑顔で語った。
環境問題に関心があり、環境を守るのに、目に見えない微生物や菌が貢献していることを知った。工業高校時代、菌が登場する漫画「もやしもん」にはまり、微生物の働きで醸す酒造りに高校卒業と同時に飛び込んだ。西山酒造場(丹波市市島町中竹田)で10年働き、体調を崩して退職するも、こうじと丹波に離れがたい魅力を感じ、開業した。
6月末まで、クラウドファンディングで資金調達中。「キャンプファイヤー おかしなこうじや」で検索を。