漢方の里、兵庫県丹波市山南町で薬草のトウキ(当帰)を栽培する兵庫医科大学(同県神戸市)のサークル「薬活オウルズ」が、地域の新名物にと、トウキの葉を具に混ぜた鹿肉のコロッケの商品化を目指し、18日、山南町内で初めて試食をした。学生たちは「香味野菜のようで、爽やか」と手応えを感じている。さらに磨きをかけ、商品化をはかる。
里山資源の活用で、鹿肉の有効利用に取り組むNPO法人里山グリーンネットワーク(尼崎市)のメンバーの藤本裕昭さん(59)=丹波市山南町=が、地元の肉を使い6年前に商品化していた鹿肉コロッケに、トウキ葉を加えることを学生が提案。学生のレシピを参考に、藤本さんが試作品を作った。
薬草と組み合わせることで商品力が上がり、営業がしやすくなる期待がある。
参加している学生(21)は、「爽やかで、おいしそうな香り。強い香りほど味の主張は強くなく、初めて食べる人でも食べやすい」と言い、別の学生(21)は「パセリ、バジルみたいに使えそう。トウキを知ってもらうのに良い」と味に太鼓判。
前々から薬草と鹿肉の組み合わせを考えていた藤本さんは、「良いきっかけを頂いた」と感謝し、「学生の提案よりトウキの量を控えた。鹿肉は癖がないが、肉のひき方で面白い食感になる。トウキの香りが良いアクセントになる」と言い、「薬学部の学生が関わっており、学術的な面からの発信にも期待できる。新名物として売り出せる」と張り切っている。