収穫した繭は、生糸にするほか、手で引っ張り、真綿にする。生糸にしない繭の一部を「つまみ糸」にし、自身の丹波布作品に使い、丹波布仲間に分けている。
生糸や真綿を使った作品を製作。真綿をアカネ、コブナグサ、クリ、藍などの草木で染め、丹波布の技法で織った作品「真綿と遊ぶ」が、西宮市展の工芸の部で入選、7月10日から同市で展示される。さらに、児童の夏休みの自由研究、工作の助けにと、蚕飼育キット(500円)をこしらえた。繭をつくり始める直前の蚕と、まぶし、餌の桑の葉のセットを7月末に児童に渡す。8月17日に村山さん宅で繭から糸を引く会を開く。
村山さんは元小学校教師。同布の技術を学ぶことと、幼い頃身近にいた蚕の飼育を再開するため、10年前に西宮市から帰郷。夫の正明さん(74)と工房「山里&丹ぽぽ」を立ち上げた。
小中学生向けに、蚕や繭に触れる体験会を開いている。「蚕を飼ったことで、つながりができ、広がりが生まれた」と言い、さらに多くの人に蚕に触れてもらいたいと考えている。