重伝建地区の延焼防ぐ 消防団員と元団員に感謝状 的確な判断で初期消火

2022.07.20
地域

初期消火に当たって延焼を防ぎ、感謝状を贈られた藤原さん(右)と遠山さん=2022年7月20日午前10時8分、兵庫県丹波篠山市北で

兵庫県丹波篠山市消防本部は20日、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている同市福住地区で発生した火災の初期消火に当たった藤原充弘さん(62)=福住=、遠山武志さん(57)=同=の2人に感謝状を贈った。遠山さんは地元の消防団員で、藤原さんは元団員。的確な判断で連携し、伝統的な町並みへの延焼を防いだ。

同本部などによると、今年5月7日午後6時ごろ、空き家の外壁から火柱が上がっているのを、犬の散歩中だった藤原さんが発見。近所に住む遠山さん宅へ駆け込み、火災が発生していることを伝えた。

2人は、市が地区内に設置している消火器を使い、協力して火を消し止めた。その後、藤原さんは火元へ水をかけ、遠山さんは同本部へ連絡した。

敷地内で空き家の所有者が雑草などを燃やしていたという。

藤原さんは「出ている火は消さないかん。普通のことです」と話し、遠山さんは「地域の訓練では消火器を担当している。現役の消防団員として、仕事をしただけ」と謙虚だった。

同本部の西井満消防長は「木造の建造物が密集する住宅地。2人の勇敢な行動がなければ、美しい景観が失われていたかもしれない」と感謝していた。

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