農家が餃子専門店 安心野菜で「優しい味」 日本グロワーズ

2022.07.27
地域

自家栽培の野菜が詰まったギョーザを手にするスタッフ=2022年7月19日午後2時40分、兵庫県丹波市山南町奥で

兵庫県丹波市山南町北和田の農業法人「日本グロワーズ」が、自社の畑で育てた野菜を使って作るギョーザ専門店「助丸(すけまる)」を、同町奥の国道175号沿いにオープンした。こだわりの土で育てたニラとキャベツを使用し、「野菜(やさ)しい餃子」として売り出す。堂本幸信社長(56)は「子どもからお年寄りまで食べてもらえるヘルシーで優しい味を目指した。健康面と事業面で、地域の活性化に貢献したい」と話している。

同社は、ベビーリーフの生産販売がメイン。6次産業化に取り組みたいという思いが以前からあり、新型コロナウイルスの影響でテイクアウトの需要が伸びたことや、材料に野菜が多いことから、2年ほど前、ギョーザに着目。「野菜農家の強みを生かし、安心安全な材料で作るギョーザにチャレンジしたい」と決意した。国の第1回事業再構築補助金を受け、加工場を新設して大型機械類を導入、新たに従業員も雇用した。

こだわりの土で栽培しているニラと堂本社長=山南町美和で

その日に店舗で、手作業で包んだものを売り切る「つつみたて生餃子」がコンセプト。使用する野菜のうち、ニラは全量、キャベツは約半分を自家生産しており、キャベツもゆくゆくは全量を自家生産したい考え。ショウガ、ニンニクも生産を始めた。畑に化学肥料は使用せず、馬ふんを使った自家製堆肥を入れている。

また、具の豚肉は国産100%で、調味料はカツオ、昆布、シイタケを使って「和風味」に。野菜の味が分かるよう、塩は控えめにした。「味を決めるのに一番苦労した」と堂本社長。当初は昨年9月のオープンを目指していたが、味をとことん追求するのに時間を要し、「ようやく納得のいく形で船出できた」と喜ぶ。

国道175号沿いにオープンした「助丸」

店名「助丸」は、「たくさんの栄養素が詰まったギョーザで、健康づくりと食卓の手助けをしたい」という思いから付けた。堂本社長は「愛情を込めた野菜を中心としたギョーザをたくさんの人に食べてもらいたい」と話している。

40個入り1080円と18個入り540円で販売。

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