「まるで花」 実はキノコです 菜園に「ササクレシロオニタケ」

2022.07.31
地域自然

乾燥で切れ込みが入り、花のように見える「ササクレシロオニタケ」=兵庫県丹波市氷上町成松で

兵庫県丹波市氷上町成松の永廣美千代さんが、自宅の家庭菜園で花のような姿をした白いキノコを見つけた。

24日朝、庭先の家庭菜園で育てているトマトの下葉を取り除いていたところ、うねを覆ったマルチシートの隙間から顔をのぞかせる小さなキノコが目に留まった。傘の直径は3センチほどで柄の長さは約4センチ。傘には深い切れ込みが4カ所から入り、その表面の中央付近にいぼ状の突起が集中して見られる。

「まるで花。見たこともない珍しいキノコ」と、写真を撮り、所属している丹波OB大学や市島の写真クラブのメンバーにメールで送信。仲間に驚きを伝えた。

その日の夕方、もう一度見に行くと、すっかりしおれていた。「それまでは下葉の陰になっていたのに、突然日の当たる環境になったので、干からびてしまったのかしら」と、キノコを気の毒に思った永廣さん。「水をかけてやりましたが、もう何ともなりませんでした」と苦笑いする。

キノコに詳しい人と自然の博物館の秋山弘之・特任研究員によると、キノコは小型の「ササクレシロオニタケ」。ササクレの名は、柄の基部の様子を示し、傘表面のいぼ状の突起(外被膜の破片)は、有名な毒キノコ「ベニテングダケ」に見られる突起と同じ。傘が開く前のつぼみ状態の表面には、特に突起が目立っているのでそれを鬼の金棒に、または鬼の角に見立てたことから「オニタケ」の名が付いたという。切れ込みが入った原因は、乾燥による可能性が高い。

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