移住促進に積極的に取り組んでいる兵庫県丹波市春日町大路地区の地域団体、一般社団法人・みつおおじはこのほど、同地区で初めての「移住者交流会」を開いた。同地区に移住した人(6家族12人)や、移住を希望している人、地域住民ら32人が参加。料理の得意な移住者が手作りした弁当を食べつつ、移住した家族から体験談を聞いたり、関心のあるテーマなどについてグループで話し合ったりし、情報交換を行った。
同地区には近年、多様な人材が移住している。田舎暮らしが好きで、三尾山の景色にひかれて移住を決めたという戸田有治さん(36)・晴菜さん(35)夫妻は、住居、仕事、子育てなど、さまざまな面での移住前の理想と移住後の実際の生活を披露。移住した後も、家族の状況や自分たちの気持ちの変化に合わせて仕事や住まいを変えながら、「こんな暮らしがしたい」という理想を大事に、充実した生活を送っている様子を伝えた。
「おせっかいをするのもされるのも好きで、田舎ならではの距離感が性に合っていた」と有治さん。先輩移住者がたくさんいたことや、地域に温かく迎え入れられたことで、自分も地域に貢献したいという気持ちが生まれたと話した。晴菜さんは、「移住前は都会から友だちを呼んでバーベキューをするような生活を思い描いていたが、子育てやイベントを通じて、今では丹波の友だちの方がはるかに多くなった。誰一人知らない土地に飛び込んできたが、知り合いだらけの丹波に自分の力で変えられた」と笑顔で話した。
同法人理事の山内一晃さん(71)は、「丹波への移住希望者が増えている中、大路地区に関心をもってもらえればと企画した。移住者同士の横のつながりも生まれればうれしい。今後もこうした会を続けていきたい」と話していた。