元岡山・創志学園高校野球部監督で春夏6回の甲子園に導いた長澤宏行さん(69)が、兵庫県丹波篠山市の「市スポーツ振興官」に就任した。4日、同市役所でセレモニーが開かれ、翌5日から篠山産業高校硬式野球部で監督としての指導を開始した
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長澤監督は就任のあいさつで、王貞治さんを越えたシーズン56号のホームランを打ったヤクルト・村上宗隆選手や、メジャーリーガーの大谷翔平選手の例を挙げ、「成功して何か結果を出す人は自分をごまかさず、自分に厳しい」と話し、選手には「”持ってる”人間にならないといけない。これまで持ってる選手を見つけ、それに掛けてきた。チャンスをつかむか、つかまないか。それが一番大切」と鼓舞した。また、「篠山鳳鳴と切磋琢磨して良い野球をすることが私の仕事の成功に結び付く」と話した。
また、酒井隆明市長は「スポーツ振興官としての指導をいただくことは、市民にとって、子どもたちにとって、大変大きな喜び。先生のおかげで市のスポーツが大いに盛り上がるのでは。ワクワクしている」と期待を込めた。
大槻冴斗主将(2年)は「篠山産業高校野球部は地元の選手が甲子園という大きな目標に向かって頑張って練習をしています。これからは長澤監督の熱心なご指導に応えられるよう選手一同頑張りますので、ご声援よろしくお願いします」と元気にあいさつした。
このほか、酒井市長から長澤監督に篠山産業のブルーのユニホームとノックバットが贈呈され、観光大使の西家佳音さん、同校マネージャーの榎原咲希さん、小学生ソフトボールチーム「ラクーンズジュニア」の宮田和奏主将から花束が贈られた。
セレモニーには同校野球部(マネージャー2人含む21人)、同校同窓会(栁田昌三会長)、野球部OB会(佐古田直實会長)、篠山ソフトボール協会(植野良治会長)、ラクーンズジュニアのメンバーら約50人が参列した。
翌日、同校グラウンドで行われた練習では、選手全員が円陣を組み、長澤監督が「私も自分に厳しく、君たちも1球1球厳しく、24時間を大切にやってください」と話した後、ノックを開始。「もっといけるぞー」「今のええぞ」と選手を鼓舞しながら、バットを振っていた。