黒枝豆の隣に「青い卵」? 移住の夫婦が飼育「アローカナ」の卵 濃い味で栄養も豊富

2022.10.23
地域

アローカナの卵

特産の黒枝豆の販売が解禁されて以降、兵庫県丹波篠山市内各地では露地売りが出店し、多くの観光客らが旬の味覚を買い求めている。そんな中、同市小野奥谷地区のとある露地売りに、黒枝豆と共に一風変わった商品が並んでいる。薄緑色、もしくは薄青色の卵で、その名も「幸せを呼ぶ青い卵」。「アローカナという鶏の卵です」と教えてくれたのは、近くの北村京子さん(44)。南米チリ原産の鶏で、その卵はしっかりとした濃い味で、爽やかさとこくが特長。ビタミンBなど栄養価が高いことで知られるという。露地売りのそばではアローカナが「売り子」を務め、観光客の関心を呼んでいる。

北村さんは2020年3月に丹波篠山に移住。「自分で育てた鶏の卵で卵かけごはんが食べたい」という念願をかなえようと、知人から鶏を譲ってもらった。

その中の1羽がアローカナ。当時は存在を知らず、青い卵に驚いたが、その愛らしさや卵の味に感動し、今では6羽を飼育している。敷地内で平飼いし、すくすくと成長。人懐っこい性格で、当初は飼育に前向きではなかった夫の仁さん(48)も今では「メロメロ」で、小屋を手作りしたり、鶏たちのためにバッタを集めて与えたりしている。

北村さんは大阪出身で元航空自衛官。「パイロットになれるなんて面白そう」と自衛官になったが、体調を崩したこともあり、4年で退職した。「自分には合っていなかった。自然や動物のほうが合っていると思う」(北村さん)。

自身が体を壊したこともあって、整体のセラピストとして活動するようになり、芦屋市などで産前産後の妊婦を対象にしたサロンを開業した。

幸せを呼ぶ青い卵を販売する北村さん夫妻とアローカナ=兵庫県丹波篠山市小野奥谷で

仁さんと結婚し、子どもにも恵まれたが、都市部の新興住宅地での暮らしは、育ち盛りで走り回りたい子どもにとっても、交通事故や隣近所を気にする親にとっても神経をすり減らす環境だったため、田舎暮らしを決意。物件を探す中で丹波篠山にたどり着き、築約150年の古民家で生活を始め、家族にアローカナも加わった。

近所の人が作る黒枝豆の露地売りをすることになり、少量ながら、この卵の味も知ってもらいたいと、合わせて販売している。

北村さんは、「卵かけご飯やゆで卵がお薦めですが、どんな料理にも合う。わが家では近所の人から何かもらったときのお返しに大活躍」とにっこり。丹波篠山での生活は、夫婦共に「最高」と言い、「子どもの可能性をいっぱい引き出せるし、健康に育つ要素も多い。田舎で子育てをするメリットを発信していけたら」と話している。

卵は6個1500円で販売。購入したい人は、北村さん(asahiya2421@gmail.com)に連絡を。

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