兵庫県丹波篠山市の西紀サービスエリア(SA)上下線の売店コーナーで、丹波篠山の魅力を発信する秋の特別企画が、20日まで展開されている。上り線(同市西木之部)では、1回500円で、最大5キロ(2570円相当)の丹波篠山産の新米コシヒカリが当たるガチャ「ガチャひかり」を設置。2017、19年に下り線で催した期間限定企画「ガチャめし」では、1000万人のチャンネル登録者数を誇る大人気ユーチューバー・ヒカキンさんも訪れ、話題を呼んだ。西紀SAの第2弾となるガチャ企画が今回もヒットなるか―。
ガチャひかりは、上り線の「デカンショ大収穫祭―みち、ひと、こころが結ぶ未来」と題した特別企画の一環。エンターテインメント性を持たせつつ、コロナ禍で落ち込む米の消費支援につなげる。
ガチャを回すと、▽収穫大賞(5キロ)▽収穫賞(2キロ)▽デカンショデカン賞(1・5キロ)▽デカン賞(1キロ)―のいずれかの新米が当たる。1キロでも515円相当で、損はない。出てきたカプセルは空けずに、売店スタッフに手渡す。
上り線の特別企画コーナーは、米俵と、同市の夏の祭典「デカンショ祭」のうちわが目を引くレイアウト。新米、黒枝豆、芋といった秋の味覚や、「米」と「むすぶ」から連想し、おむすびの形をしたケーキも販売している。
盆地特有の内陸性気候により、強い甘みが特徴の丹波篠山産の米。新潟県魚沼市のコシヒカリと比較されることもある。同SA副支配人の神戸渉さん(37)は「丹波篠山が米の産地であることも知ってほしい。SAから降りなくても、丹波篠山に行った気分を味わってもらえれば」と力を込める。
同SA下り線(同市東木之部)は、ぼたん鍋で知られる同市のイノシシをテーマにし、「牡丹とバラ―秋に姉妹 咲き廻る」と銘打った特別企画を展開。売り場には、イノシシのはく製を置き、イノシシやシカなどのジビエ肉を使ったジャーキーや、黒豆や栗のケーキ、フィナンシェなどの商品が並んでいる。
同SA支配人の森村匡志さん(45)は「丹波篠山にはおいしいものがたくさんあるということを伝えたい。SAを中継地点ではなく、目的地にしたい」と話していた。
ガチャを使った券売機「ガチャめし」は、2017年夏と年末、19年の春に登場し、2万人を超える利用があった。ヒカキンさんがガチャめしに挑戦する動画を投稿したことで、さらに人気に火が付き、SA内に車が入れなくなる日もあるほどの人気ぶりだった。