特殊詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警篠山署は1日、同県丹波篠山市野中にある「ローソン篠山野中店」の店員、原田明穂さん(31)に署長感謝状を贈った。「パソコンがウイルスに感染した」と言い、高額の電子マネーを購入しようとしていた70代男性を不審に思い、積極的に声を掛け、架空料金請求詐欺を食い止めた。
同署と原田さんによると、先月1日午前7時20分ごろに男性が来店。店員にATMの場所とiTunesカードの購入方法を尋ねたという。レジを担当していた原田さんは、慌てて5万円分のカードを購入しようとする男性の様子から、特殊詐欺被害を怪しみ、「最近特殊詐欺が流行っている」「本当に大丈夫ですか?」などと声を掛けた。
男性は「最近買ったばかり。壊れたら困る。騙されてもいいから払う」と頑な態度だったことから、同店の統括者に状況を説明し、同署に連絡した。
男性のパソコンには「トロイの木馬に感染しました」などという警告画面が表示され、表記された電話番号に連絡後、相手から「修復のサポート費用」として電子マネーの購入を指示された。男性は一人暮らしという。
「無駄でも良いから、とりあえず声を掛けようと思った」と原田さん。「詐欺を防げてうれしいし、誇りに思う。より一層、特殊詐欺に対する意識が高まった。また同様のケースがあれば、声掛けをしていきたい」と話した。