兵庫県丹波市内の有志らが、教育について思いを伝え合える場をつくろうと、活動を始めている。第1弾として、10日に丹波ゆめタウンポップアップホール(同市氷上町本郷)で、教育をテーマにしたドキュメンタリー映画「夢みる小学校」を上映する。上映会副実行委員長の前丹波市教育長、岸田隆博さん(64)は、「子どもが持っている可能性の大きさや、それを引き出す大人の役割について考えるきっかけになれば」と、来場を呼び掛けている。
岸田さんは今年の7月から、毎週火曜日午後1―3時、同市青垣町佐治の古民家を改修したまちづくり拠点「センバヤ」に滞在し、教育やまちづくり、子育てについて、来た人とざっくばらんに話をしている。「今週の岸田さん」と名付けた企画で、交流サイト(SNS)を通じて活動を発信してきた。この対話の参加者から「『夢みる小学校』を上映しては」と提案があり、実行委員会をつくって上映することにした。
同映画は、「いただきます」シリーズのオオタヴィン監督が、ユニークな取り組みを行う3つの小中学校を取材したドキュメンタリー。自己決定型学習を行っている私立学校法人「きのくに子どもの村学園」が運営する「南アルプス子どもの村小学校」(山梨県)、60年以上にわたって総合学習を続けてきた長野県伊那市立伊那小学校、校則や定期テストを廃止した東京都世田谷区立桜丘中学校が登場する。
きのくに子どもの村学園創設者の堀真一郎学園長、作家の高橋源一郎さん、脳科学者の茂木健一郎さん、教育評論家の尾木直樹さんらも出演。ナレーションを俳優の吉岡秀隆さんが担当している。
実行委員会は今後、南アルプス子どもの村小中学校長を招いたトークセッションなどを計画中。出町慎実行委員長(40)は「学びをつくるのは学校だけではない。それぞれの立場で、子どもを中心に据えた学びを考える人が増えれば、楽しいまちになると思う。一緒に考えていく仲間を増やしたい」と話している。
上映会は午前10時半からと、午後1時半から。午後の回終了後、3時半からオオタヴィン監督と、人権講師の島田妙子さんをゲストに迎えたトークセッションがある(オオタヴィン監督はオンライン出演)。参加には映画チケットの半券が必要。入場料一般800円、高校生以下無料。全席自由席。ゆめタウンサービスカウンターでチケット取り扱い中。当日はポップアップホールで販売。