ベーカリー「パンの蔵 穂音」(兵庫県丹波市柏原町柏原46)に、丹波地域では珍しいパンの自動販売機がお目見えした。地元産食材にこだわる同店のパンが24時間、いつでも食べられるようになった。
自販機は年中鮮度を保てるよう冷蔵庫仕様。一度に最大10種100個の販売が可能。先月末に設置したばかりで、商品は現在、たまごパンや焼きドーナツなど。今後、朝食や昼食に請け合いのサンドイッチやベーグルなど店舗には並ばない自販機専用商品も扱っていくという。
JR柏原駅から柏原高校をつなぐ道に面していることから、お得意さんは同校の生徒たち。しかし、朝の通学、夜の部活帰りの時間帯はあいにく営業時間外。学校から柏原駅までの道程でコンビニなど食べ物を買える店がなく、お腹をすかせたまま家路へと向かう学生たちのことをふびんに思い、自販機での販売形態を思い立った。
オーナーの齋藤嘉猛さん(41)は、地元神戸で10年間のパン修業を経て、独立。2015年に当地に店を構えた。午前10時から午後7時まで営業し、菓子パンや惣菜パンなど合わせて約40種類を販売している。
齋藤さんは、「学生たちの若い胃袋にも応えられるよう、なるべくボリュームのあるパンを提供している。自販機販売を始めたことにより、今まで買いに来られなかった方々にも、ぜひ、穂音のパンを味わってもらえたら」と話している。