わらの大蛇をかついで集落内を練り歩き、無病息災や家内安全を祈る珍しい伝統行事「蛇(じゃ)ない」が8日、兵庫県丹波市山南町応地地区(34戸)で行われた。大蛇にかんでもらうと子どもは賢く、大人は病気の個所が癒えると言われており、それぞれの家で丁寧に大蛇を出迎えた。
この日は朝から大歳神社に地域の人たちが集まり、約2時間半かけて、長さ10㍍の大蛇を編み上げた。
昨年は新型コロナウイルス対策として練り歩きは取りやめたため、各戸訪問は2年ぶり。毎年頭をかんでもらっているという小学3年生の女の子は「小さい頃は怖かったけど、最近は面白い」。1歳の娘の頭をかんでもらった女性(26)は「賢くなるといいですね」とほほ笑んでいた。
同地区には、大雨による増水で川向こうに取り残された子どもたちを、突然現れた大蛇が橋の代わりになって救ったという伝説がある。川の安全や五穀豊穣などを願って江戸時代から「蛇ない」が行われているという。