兵庫県丹波篠山市の日置ふるさとステーションでこのほど、同市内でユニークな取り組みを展開する人が語るイベント「Sasayama Little Stars お話会」が初開催された。初回の「リトルスター」は、「篠山街道」の情報を発信し、イベント「篠山早朝散歩&朝カフェ」を始めた藤井照雄さん(58)=京都府南丹市=が務めた。参加者たちは、藤井さんの経歴や、「悪だくみ」と自称する企画の話に引き込まれていた。
日置地区担当の地域おこし協力隊員、黒川昌子さん(49)が企画。丹波篠山市内や南丹市、亀岡市などから17人が参加した。今後、月1回程度のペースで催す。
山口県徳山市(現・周南市)出身の藤井さん。鳥取大時代、周囲に影響を受け、休学してヨーロッパ、アジアの国々を回る旅に出た。サラリーマンになり、25歳の頃にもアジア、ヨーロッパ、アメリカを巡り、それぞれの国特有の文化に触れた。
退職し、海外旅行にまつわる本を扱う本屋を大阪・十三で5年ほど営んだ後、古民家再生に関わるボランティアが縁で丹波篠山市を訪れ、同市福住でゲストハウスを開業した。
同市では、亀岡市と丹波篠山市をつなぐ「篠山街道」を盛り上げる活動に尽力。同街道を1泊2日で走る自転車ツアーを企画した。現在は両市にある「まけきらい稲荷」をつなげる取り組みができないかと、アイデアを巡らせている。
「篠山早朝散歩―」は、「日常と旅行の合間にある早朝の世界の魅力を発信しよう」とスタート。早朝に市内を散歩してカフェで昼食を取るというシンプルなイベントながら、これまでに100回以上続き、参加者間の交流も生まれている。
藤井さんは「いかにゲストハウスにお客さんを呼ぶかという私利私欲で始めた」と笑い、「できるだけシンプルにして楽をしながらも、どうしようもない、ばかばかしいことにこだわると面白くなる」などとくくった。
お話会の後は、黒川さんが、砂糖を使わずに作った菓子をつまみ、コーヒーや紅茶をすすりながら、参加者が輪になり、和やかな雰囲気で自己紹介し合った。黒川さんは「人と人とが出会い、悩みが解決したり、アイデアが生まれたりする場になれば」と話す。
次回は3月12日午前10時―11時半、同ステーションで。「リトルスター」は、旧国鉄篠山線に詳しい松本剛さんが務める。