45年後に開封 未来の神職らへタイムカプセル 県神道青年会再建55周年を記念

2023.03.22
地域

手掘りした深さ2メートルの穴にタイムカプセルを埋める兵庫県神道青年会のメンバー=2023年3月2日午後3時21分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波市柏原町柏原の柏原八幡宮の禰宜、千種太陽さん(39)が会長を務める兵庫県神道青年会がこのほど、同青年会の再建55周年記念事業の一環として、柏原の街並みが一望できる高谷公園(同町柏原)に、未来の同会員や奉務している神社、家族へ宛てた手紙を納めたタイムカプセルを埋めた。同青年会の役員・理事13人が参加。時折、雨や雪が降るあいにくの天候だったが、代わる代わるシャベルを手に、地面を掘り進めること約2時間、目標の2メートルに到達し、計画通りにタイムカプセルを埋めることができて笑顔を見せていた。タイムカプセルは再建100周年となる45年後に掘り起こす計画。

手紙は、左下に「絆」とプリントした専用用紙に墨書き。同会員が45年先の青年神職たちや家族に宛てた約80枚が集まった。

未来の神社管理者に「本殿の屋根をふき直すように」とお願いした内容や、「どのような時代、情勢、状況であっても、常に熱き情熱を持って自分に打ち勝ち、神明奉仕に努めること」といった熱のこもったメッセージもあった。

長期間、地中に埋めて保管しておくのに厄介なのは湿気という。手紙は、乾燥剤と一緒にジッパー付きの厚手ポリ袋に入れて密封し、ステンレス缶に納めた。さらにステンレス缶をプラスチック製たる型容器に入れるなど、何重にも湿気対策を施したため、重量は約50キロにもなったという。

タイムカプセルを埋めた場所には「目印に」と、千種会長が命名した「熱き志の箱」と書いた立札を設置した。

千種会長は、「45年後の日本が、今より悪い時代になっていたら、これらのメッセージが勇気づける言葉として届けばうれしい。今より良い時代になっていれば、この今の時代を懸命に生きた神職たちに思いをはせてくれたら」と話している。

同記念事業としてこのほか、交流サイト(SNS)を活用した神社の魅力発信や、神道教化にもつなげられる絵本の作成、阪神淡路大震災慰霊祭などを行ってきた。

同青年会は、40歳までの青年神職で組織する団体。現在、県内10支部、約100人が所属している。1951年(昭和26)、同青年会の前身「神道青年兵庫協議会」が設立。2年後に現在の会名に改められた。昭和30年代半ばに活動休止となったが、1967年(昭和42)に再始動した。

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