元CAが開業 古民家を「里山ホテル」に ドッグラン付き

2023.04.14
地域

築110年の古民家を改築した「里山ホテル かねのね丹波」=兵庫県丹波市柏原町上小倉で

兵庫県丹波市柏原町上小倉に15日、築110年の古民家を改築した「里山ホテル かねのね丹波」がオープンする。トタンをかぶせたかやぶき屋根の母屋をレストランに、離れと土蔵を宿泊施設に改築し、さらに宿泊用のコテージ2棟を増築。周辺に栗園を含めた約2000坪の農地を有し、取れた農作物をレストランで使うほか、収穫体験も楽しんでもらう。ドッグランを併設しており、コテージは愛犬との宿泊も可能。レストランでも愛犬と同伴ができるスペースを設ける。大阪と東京に拠点を置き、サービス業での人材育成などの事業を手掛ける会社「トゥルース」が運営する。

母屋を生かしたレストラン内に立つ笹西さん

庄屋宅と伝わる古民家。伊勢海老料理で知られる「中納言」の創業者、堤清一さんが45年ほど前に購入し、一時期住んでいた。トゥルース社長の笹西真理さん(48)は堤さんの孫で、4年前に古民家を相続した。40年ほど放置されたままだったため、床は抜け、壁は崩れるなど廃屋と化していた。

笹西さんは元キャビンアテンダントで、そのキャリアを生かし、同社を設立した。接客、接遇マナーの指導などを行っているが、新型コロナウイルスが直撃。仕事が軒並みキャンセルになり、経営の足場を広げる必要性を痛感。仕事柄、ホテルのオープンに際して指導することがあり、ノウハウが生かせるなどの思いもあり、ホテルを開業することを決めた。「解体するしかないと思っていた家なのに。魔が差したんです」と苦笑いする。

レストランでは、フレンチをベースに和食、アジアン料理などを織り交ぜた“多国籍料理”を提供する。ランチは2000円のメニューや、3500円と5000円のコース料理があり、ディナーは基本的に宿泊者に限る。30席。要予約。

宿泊施設となる離れは、床の間付きの和室8畳とベッドルームがある。土蔵は2階建てで、蔵の造りを最大限に残したまま、壁の一面を大きな窓に変え、採光を良くした。木造の2棟のコテージは、1棟が貸し切りで、もう1棟は2室あり、全体で5室を備える。それぞれに風呂が付いており、コテージはまきストーブ付き。1泊3万5000円(2食付き、税・サービス料込)から。ドッグランは約700平方メートルの広さ。

「小学生の頃、泊まったこともある家です。マツタケを収穫して食べたり、栗拾いやホタル狩りを楽しんだ思い出のある家をホテルに再生することで、祖父母や親への孝行になればと思う」と言い、「地域活性化の一翼を担えれば」と願っている。

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