丹波篠山茶生産組合はこのほど、同組合が運営する製茶工場などで丹波篠山茶の魅力を伝える体験ツアー「1200年続く丹波篠山茶のヒミツ旅」を実施し、大阪府や兵庫県西宮市などから観光客7人を受け入れた。参加者は茶摘みや利き茶体験、工場見学などを楽しみ、丹波篠山を代表する特産の香りや味、歴史などを感じ取っていた。同ツアーは11月まで、ネットで予約を受け付けている。
参加者の中には茶娘姿に着替える人もあり、茶畑で茶を摘むポーズをきめてスタッフに写真を撮ってもらい、楽しそうな笑みを浮かべていた。
また、利き茶体験では、同県丹波篠山市大山地区出身の中尾真紀子さん(50)=同県尼崎市=ら日本茶インストラクターに、新茶の荒茶、やぶきた茶、ほうじ茶をいれてもらい、それぞれの特徴を聞き、深い味わいを楽しんでいた。中尾さんは、「スピードが求められる時代ではあるが、ゆっくりとおいしいお茶を、自分のために急須でいれる時間を取り入れて」と語りかけていた。
大阪府豊中市の新田冨子さん(83)は、娘の由美子さん(54)らと参加。冨子さんは「鹿児島の実家に茶畑があり、幼い頃から高校を卒業して家を出るまで茶摘みをしていた。茶摘みはそれ以来で、懐かしい。今日はとても楽しみにしていた」と声を弾ませた。
原田勇組合長(79)は、「茶農家の高齢化や後継者不足で厳しい状況にあるが、観光客が楽しむ姿を見て『元気が出る』と話す農家もいる。茶畑を維持する一つの糧になれば」と期待している。