兵庫県丹波市は今年11月をめどに、市内農家が新鮮な野菜を共同で集荷し、都市部の飲食店や小売店、百貨店などに届ける流通の仕組み「やさいバス」の実証実験を始める。専用サイトで注文を受けた農家が、市内の集荷場所「バス停」に出荷。野菜を載せた車両が共同輸送する仕組みで、ネックとなる物流コストの削減や販路拡大につなげる。近く、生産者と集荷場所や輸送方法などを協議する。市が今年3月に行った「オーガニックビレッジ宣言」の事業の一環。
静岡県の会社「やさいバス」が2017年に始めた事業。関東圏を中心に導入している自治体などがあり、兵庫県内では宍粟市や姫路市などにバス停が設けられている。市農林振興課によると、路線バスなど既存の物流システムをうまく活用したい考え。
農家にとっては、鮮度の高い野菜を食べてもらえるほか、食品ロスや出荷調整作業の負担軽減につながり、消費者ニーズが把握できるといったメリットがある。配送料は購入者(都市部の飲食店など)が負担するためかからず、物流を合理化させることで輸送コストを削れる。
出荷したい農家数や在住地域、野菜の量などを考え、農家と共に出荷場所などを決めていく。